名古屋で宝石のお手入れことなら宝石工房へ 　

【宝石言葉】 5月の誕生石：翡翠（ジェイド）
長寿、健康、徳。持つ人に大いなる叡智を授け、素晴らしい人徳を与えてくれる。

翡翠(ジェイド)は小さな結晶が絡み合っている鉱物のため、宝石の中で最も高い靭性（割れにくい性質）を持っていますが、モース硬度はあまり高くないので擦り傷などに注意しましょう。少しぶつけただけで傷やひびが入る事もあります。
超音波洗浄器は避け、汗や汚れは柔らかい布やセーム皮（シカやヤギの皮の銀面を落として油なめしした革）で拭き取りましょう。
汚れが気になるようなら、中性洗剤を入れたぬるま湯で絵筆などを使い汚れを落としてよくすすいでから乾いた布でしっかり水分を拭き取りましょう。
着色している翡翠の場合は、周りの色が剥がれ落ち、白っぽい翡翠に変わってしまう場合もありますので、お手入れの時のご注意点ください。

現在、翡翠には「硬玉」（ヒスイ輝石）と「軟玉」（ネフライト）の2種類があり、化学的にも鉱物学的にも異なる物質である。という事は、両者は全く別の鉱物であるのですが、見た目では区別がつきにくいことから、どちらも「翡翠」と呼んでいる状況です。
国内外で宝石とみなされるのは現在は硬玉だけで、軟玉は中国以外では宝石とされず半貴石に分類されています。
その為、中国で安く売られている翡翠はほとんどが軟玉ですが、細工によってとても高価なものもあります。
さらに、白く透明感のある最上質のものは「羊脂玉」と呼ばれ、中国では硬玉よりも価値が高いものもございます。
『世界で最初に翡翠を使ったのは、約5000年前の縄文前期末の人々であり、世界最古の翡翠大珠が山梨県で見つかっている』という記録もあります。
余談ですが、中国で鳥の【カワセミ】を「翡翠」という言葉で表していますので、日本でもそのように覚えている方もいますね。 色は深緑という印象がありますが実際は、【緑、ピンク、薄紫（ラベンダー）、半透明、白、青、黒、黄、橙、赤橙】など様々な色があり、大きく分けて15色程度と言われています。
日本ではお着物と一緒に身に着けられる宝飾品として、帯留めやその他の工芸品にとてもよく使われていました。当社では深緑とラベンダーのタイプが認知度が高く所有してる方が多かったです。
英語では、硬玉、軟玉、等の翡翠(ヒスイ)を総称してジェイド (Jade)と表しますが、特に硬玉と軟玉を分けて言う必要がある時は、硬玉（ヒスイ輝石）をジェイダイト (Jadeite)、軟玉（透閃石-緑閃石系角閃石）をネフライト (Nephrite) と呼んでいます。 以上の状況から、よくお客様より『ヒスイは偽物が多い。』とか『ネフライトってことは偽物？』というように聞かれる事がございますが...、もうここまでお読みになればお解りですよね。
『偽物』という言葉にはあたらないですが、硬玉と軟玉は違う鉱物で分けた呼び名は硬玉/ジェイダイト (Jadeite)と軟玉/ネフライト (Nephrite)ということです。
そして一つ、こだわった知識の中に『ロウカン ヒスイ』と別名で呼ばれるものがあります。一度見ると「これが翡翠!?」と驚くほどの鮮やかな半透明に見える緑色(翠色)の翡翠です。 翡翠の中で最も高い評価を受けるのも納得の神秘的な正に宝石と言えるものです。漢字は「琅かん」や「老坑」（ろうかん）と記載されますが、「老坑」とはミャンマー最初の翡翠鉱脈を指しているので、その他の新しい鉱脈産は別けて「新坑（しんかん）」と呼ばれてもいます。

【産出国】 産出地は世界的にも限定的な場所のみ。
≪硬玉の主な産地≫
日本 [新潟県糸魚川市姫川流域・富山県の宮崎・境海岸（ヒスイ海岸）・兵庫県養父市（旧大屋町）・鳥取県・静岡県引佐地区・群馬県下仁田町・岡山県新見市の大佐山・熊本県八代市泉町など] ミャンマー [カチン高原] グアテマラ [モタグア渓谷] 米国 [カリフォルニア州ニューイドリア地区] ロシア [西サヤン山脈] カザフスタン
（※よく誤解されていますが中国に硬玉の産地は存在しないそうです。）
≪軟玉の主な産地≫ 中国 [新疆ウイグル自治区のホータン（和田）地区　《ここで採れたものは特に【和田玉】と呼ばれている。》]
ニュージーランド 米国 [ ワイオミング州ウィンドリバー山脈]

【鉱物組成】
硬玉[Na輝石の一種・イノ珪酸塩鉱物・化学組成【NaAlSi2O6】]
軟玉 [Ca角閃石の一種・イノ珪酸塩鉱物・化学組成【Ca2（Mg,Fe）5Si8O22(OH)2】]
硬度 ： 硬玉[6.5 ～7]・軟玉 [ 6 ～6.5]
比重 ： 硬玉[3.25 - 3.35]・軟玉 [2.9 - 3.1]
結晶系：硬玉[単斜晶系]・軟玉 [単斜晶系]